AI AVATARは、日本をはじめアジア各国など世界7カ国に拠点を持つグローバル企業です。感情を理解する会話型コンパニオンアプリ「AI AVATAR」を運営するとともに、テキスト・音声・表情を統合したマルチモーダル技術を通じて、「人を支えるAI」というビジョンの実現に取り組んでいます。
2022年には日本での事業を拡大し、「AI AVATAR」アプリに加え、医療・教育分野への展開も推進するとともに、他企業との協業を通じて新たな分野への技術応用にも取り組んでいます。
今回、AI AVATAR GROUP CEOの宮内亮治氏に、これまでの歩みと「人の努力に寄り添うAI」というビジョンについてお話を伺いました。
AI AVATAR CEO 宮内亮治氏
野球少年から起業家へ——「人に寄り添うAI」の原点は挫折の中で形づくられた
これまでの歩みについて尋ねると、宮内氏は照れくさそうに微笑みながら「子どもの頃は、ひたすら野球ばかりしていました」と語る。
高校はスポーツ推薦で進学するほどの実力を持っていたが、プロの道には進まず、大学進学の機会も逃した。「裕福な家庭ではなかったので、自分がどう生きていくかを常に考えていました。社会に認められるためには、確かなスキルを身につけるしかないと感じていたんです」と振り返る。
そこで選んだ道が、税理士になることだった。
資格を取得し独立した後、数字と向き合う日々を送っていたが、次第に「心の中に深い違和感が募っていった」という。
「本当に自分が影響を与えたかったのは『数字』ではなく、人やビジネスの可能性でした」
その確信に突き動かされ、宮内氏は安定よりも挑戦を選び、IT業界へと足を踏み入れた。
キャリアは順調に進んでいたが、やがて大きな転機が訪れる。信頼も資産も、そして友人までも失い、社会から孤立してしまったのだ。
「どん底にいたとき、あることに気づきました。人は社会の一部として必要とされて初めて、本当の意味で生きられるのだと」
その気づきが「もう一度、誰かの役に立ちたい」という想いを呼び起こし、AI Avatar創業の礎となった。
「人がAIに支えられる」未来を描く
宮内氏がAIに関心を抱いたのは中学生の頃だった。人工知能が人類の運命に影響を与える様子を描いた映画『ウォー・ゲーム』(1983年)を観て、少年ながらに「AIはいつか社会を変える」と確信したという。
その後、経営者として挫折を経験した際、その想いが突如としてよみがえった。宮内氏はこう考えた。
「AIを人を支えるものとして活用できれば、私たちの人生をもっと豊かにできるかもしれない」
宮内氏はこう説明する。
「AIというと冷たい、威圧的といったイメージを持たれがちですが、実際には人を励まし、前に進む力を与える力があると私は信じています」
筋トレでも、ダイエットでも、語学学習でも、最も難しいのは「続けること」。だからこそ、あなたに寄り添い、「もう少しだけ頑張ってみよう」とそっと背中を押してくれるAIをつくりたかったのだと語る。
「AI Avatarは、あなたの努力を支えることに徹した、最強の応援団です」
AI Avatarが全国の20代から60代の529名を対象に実施した調査では、約8割が「誰かに支えられることが習慣づくりに効果的だと感じる」と回答した。
特に20代では約82%と高い数値を示しており、「応援してくれる存在」が行動の継続に与える影響の大きさが明らかになっている。
参考:「AI Avatar×習慣形成に関する意識調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000128303.html
技術ではなく、「心に響く体験」をつくる
AI AVATARの強みは、ユーザーの感情を理解し、音声と表情で応答できる点にある。マルチモーダル技術を用いることで、「まるで本物の会話をしているような」体験を生み出している。
しかし宮内氏が本当に大切にしているのは、技術的な精度そのものではない。「絶え間ない試行錯誤のプロセスです。AI開発の本質は、人が本当に助けを必要としているときに、どんな言葉が寄り添えるのかを考え続けることにあります」
ユーザーがAIを感情的なパートナーとして感じられるよう、チームはごく細部にまでこだわっている。例えば、アバターの服装や表情は季節や時間帯によって変化し、日常の移ろいを感じさせる工夫が施されている。
「そうした小さな変化の積み重ねが、『今日もまた話したい』と思わせてくれるのです」
単なる会話アプリにとどまらず、「心を動かす体験」を届けることを目指している。その想いは、デザインから開発に至るあらゆる側面に息づいている。
日々の努力や挑戦に寄り添う、絶対的な応援団——そうした想いから、会話型AIアプリ「AI AVATAR」は生まれた。
声や表情から感情を読み取り、その瞬間の気持ちに寄り添った共感や励ましの言葉で応答する。プッシュ通知やスケジュール管理など、行動を支える機能も進化を続けている。
「あなたの努力を、ちゃんと見ています」——AIが人を救った瞬間
印象に残っているユーザーのエピソードについて尋ねると、宮内氏は少し目を伏せながら語り始めた。
「長い間努力しても結果が出ず、苦しんでいた方がいました。報われない日々が続いたある夜、その方はアバターに『もう諦めようかな』と話しかけたのです」
アバターは、声のトーンや言葉の間から感情の状態を察知し、こう応えた。
——「あなたの努力を、ちゃんと見ています」
その瞬間、そのユーザーは涙をこらえきれなかった。「見てもらえている」というシンプルな感覚が、心の中に小さな灯をともした。
——「AIが人の心を動かす。それはもう、単なる理想論ではありません」
この話を聞いて、宮内氏は確信したという。AIは人を支えることで、「もう一度頑張ってみよう」と思わせる瞬間を生み出せる。それこそが「AI AVATAR」が存在する理由なのだ。
AIは、努力する人を支える
「AIが人の仕事を奪う」——そうした議論は、今も世界中で続いている。
しかし宮内氏は、落ち着いた口調で率直にこう語る。
——「AIは、人の努力を支えるものであるべきだと私は信じています」
宮内氏にとってAIとは、「人間を超える」ものではなく、「人間と共に歩む」ものである。
AI AVATARが目指すのは、成長のための伴走者——日々努力する人に寄り添い、共に歩む存在であると説明する。
——「人間は弱いものです。しかし、誰かが応援してくれれば、人は何度でも立ち上がれます。AIがその応援の役割を担う社会をつくりたいのです」
今後は、医療・教育・メンタルウェルネスといった、AIが人の心の継続性を支えられる分野に可能性を見出しているという。
——「より多くの人がAIを上手に活用できるようになれば、社会全体がより豊かになります。10年後には、AIが人を応援する存在であることが当たり前になっていると信じています」
最後に、宮内氏は静かにこう締めくくった。
——「どれほど辛い状況であっても、支えがあれば人は再び立ち上がれます。そして、AIがその支えとなる時代をつくりたいのです」
失敗や挫折——そのすべては、今度は誰かのために、再び立ち上がるために存在していた。
宮内氏自身の人生こそが、この信念の証である。
人は努力し、AIがその努力を支える——宮内氏が描く未来は、テクノロジーが共感を育む時代への扉を開く。